長期の痛み「慢性痛」の治療のポイント

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膝の痛みの対策と予防 イラスト図解:膝関節の構造・骨格・筋肉 膝の痛みの体験談

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「急性の痛み」と「慢性的な痛み」の違い

ひざの痛みは、その原因や症状の重さによって大きく2つに分けることができます。

一つ目は、運動や事故などで一時的に膝に大きな負荷がかかることで起こる「急性の痛み」です。
膝まわりの組織の疲労がたまったり一部損傷したりすることで筋肉痛やねんざのような疲労性の痛みが起きたり、打撲、骨折、靭帯断裂といったケガによって痛みが生じるケースです。
痛みや腫(は)れなどの症状が軽度であれば、筋肉や靭帯が突発的に痛んだことによる一時的な痛みであるため、炎症が治まるまで安静にしていれば数日で良くなります。症状がひどい場合は大きなケガが発生している可能性があるため、応急処置を施した上で、早急に医療機関を受診する必要があります。

2つ目は、長年ひざを使い続けたり、加齢による膝の老化などが原因で起こる「長期的な痛み・慢性的な痛み」です。
膝まわりの筋肉や靭帯が衰え、膝関節の骨や軟骨がすり減って関節の形が変形しているケースが多いため、自然に良くなることはまずありません。中・高齢者に見られるひざ痛の多くが、こうした関節組織の老化に伴うもので、変形性ひざ関節症と呼ばれます。薬やマッサージなどで表面的な痛みが一時的に和らいでも、何度も再発を繰り返して長期にわたって痛みが続きます。
根本的な治療のためには、適度な運動や十分な栄養の摂取によって膝まわりの筋肉や骨を強くしたり、場合によっては手術を受けるといった対策が必要になります。

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「慢性的な痛み」は自分で治す意識を持つこと

長年、膝の痛みに悩まされている人の中には、「頻繁に通院して注射を打ったり電気をあてたりしているのに全然良くならない」という方がおられます。
痛み止めの薬やマッサージなどは、現在表に出ている痛みを一時的に抑えるもので、痛みの元を取り除く根本的な治療法ではありません。薬などに頼り医者に「治してもらう」という姿勢では、これから先もずっと慢性的な膝痛と付き合っていくことになるでしょう。

運動不足や肥満は慢性痛の原因に

慢性的な痛みは、長年ひざを酷使したり、ひざに悪い生活を続けてきたことが主な原因です。ひざに負担をかける要因は様々で、特に膝に良くない姿勢や動作、運動不足、食べ過ぎによる肥満、さらには膝をかばって過保護にしすぎる生活もかえって症状を悪化させます。
こうした膝に良くない生活習慣を原因とする膝の痛みは生活習慣病の一つで慢性の病気です。症状の改善のためには、食事、運動、休養のとり方など、毎日の生活習慣を改善することが大切です。

1.自分で運動する習慣をつけよう

◆なぜ安静にし過ぎると良くないのか

膝を大事にしすぎると痛みを悪化させる

ひざが痛くなると動くのがおっくうになります。更に動かすことで症状が悪化しそうな気がして、つい過保護にしてしまいがちです。しかしひざを動かさずにいると、骨、軟骨、筋肉、靭帯といった、関節を構成する組織はどんどん弱っていきます。

筋肉や靭帯が衰えると、固くこわばり柔軟性がなくなります。すると膝を支える力が弱まって安定感がなくなり、膝関節の動く範囲が狭くなって曲げ伸ばしもしづらくなってきます。筋肉の量が減ることで血行が悪くなり痛みは悪化して治りも遅くなります。骨は弱くなって骨折しやすくなり、老化した軟骨は膝を動かした時に欠けたりすり減りやすくなります。

つまり、ひざを動かさないことで関節の老化が早まり、ますます関節の変形・破壊が進みます。
「痛いから動かさない」→「動かさないから衰える」→「衰えて痛みが増す・動かなくなる」という悪循環に陥ってしまうのです。

◆膝を適度に動かすことが大事

膝の慢性痛を和らげるには、運動によって膝を適度に動かして筋肉、骨、靭帯などの組織を丈夫にすることが大切です。

ただし、運動をしすぎたり、痛みを我慢して無理に動くのは逆効果です。「痛みをあまり感じない範囲で、積極的に継続して行うこと」が重要です。
例えば、「一度に10分は歩けないけれど5分なら大丈夫」なら、5分ずつを一日に数回、できる範囲で行いましょう。強い痛みや膝の違和感を感じたら無理をせず、すぐに運動を中止して安静にしてください。痛みが無くなったらゆっくりと再開します。とにかくあせらず少しずつでもいいので継続することが重要です。
運動を長く続けることで、徐々に膝が鍛えられて痛みが少なくなり、長い時間動くことができるようになっていきます。

◆どんな運動をすればいいの?

ひざの痛みを和らげるための運動には、大きく3種類があり、それぞれ得られる効果が異なります。

膝を強くするための3種類の運動


1.筋力トレーニング

体にある程度大きめの負荷をかけることで筋力を高める運動です。骨や靭帯も強化することができます。
体重による負荷や外部からの衝撃を吸収し分散する力が高まるなど膝を支える力が強くなり、膝の負担が軽くなって痛みが和らぐだけでなく安定感も増します。新陳代謝も高まって長期的にも痛みが起こりにくくなります。

2.柔軟体操、ストレッチング

筋肉や靭帯をゆっくりと伸ばす運動は、筋肉や関節の柔軟性を高め、ひざの動く範囲を広げます。
ひざを深く曲げたり伸ばしきることが難しい人に効果的です。また、筋肉のこわばりが改善され衝撃を吸収する機能が高まり、血行も良くなることで痛みも軽減されます。

3.全身運動(有酸素運動)

散歩、ウォーキング、ジョギング、自転車など、軽めの負荷で全身を動かす運動は、全身の組織を丈夫にするほか、体力や抵抗力(免疫)が高まってケガや病気をしにくくなり、心臓・肺・血管などの心肺機能も高まって体を若く保ち、ひざの老化を遅らせることができます。

<運動時のポイント>

  • 痛みのない(少ない)範囲で、継続して行う
  • やり過ぎは逆効果。痛みや違和感を感じたらすぐに中止して痛みが治まるまで休む
  • 筋力トレーニング、柔軟体操、全身運動を、できるだけまんべんなく行う
  • できればかかりつけの医師に運動しても大丈夫か、どういった運動が良いのか一度聞いてみましょう。症状に合った指導・アドバイスがあれば、その指示に従ってください。
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2.食生活を見なおそう

十分な食事と栄養

◆栄養を十分に摂る

膝を使った運動をすることで膝を強くすることができますが、同時に十分な栄養を摂取することが大切です。
運動によって一時的に傷んだ骨や筋肉は食事によって摂取した栄養を素にして強く作り変えられます。体の材料となる栄養が十分にとれていないと、せっかく運動してもその効果は半減してしまいます。

また、食事の好き嫌いの多い人や、少食の人、無理なダイエットをしている人などは、栄養不足が原因で膝が弱くなっているかもしれません。体を強く保つためには、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラル、カルシウムといった栄養素をバランスよく摂る必要があります。特に女性の場合カルシウムが不足しやすく、高齢になるほど骨がもろくなりやすいため注意が必要です。

◆規則正しい食生活を送る


  • 食べ過ぎや飲み過ぎをすることがある
  • 食事の時間が不規則だったり、朝食を抜いたり、早食いなどの習慣がある

こうした食習慣は膝に大きな負担となる「肥満」につながります。運動不足や食べ過ぎによる「肥満」を自覚している人は、それが慢性痛の一因となっている可能性が非常に高いです。食事のメニューや食べ方・時間帯を見直すことは肥満の解消に役立ちます。



3.その他の生活習慣の見直し

既に述べたような運動や食事による膝の強化は、慢性的な膝の痛みを「治す」、または完治は難しくても痛みを「小さくする」効果があるため最も重要です。
それに加えて、これから示すような膝に負担となる生活習慣を改めていくことで、「痛みの悪化や再発の防止」を図ることができます。

◆膝に良くない姿勢や動作を避ける


  • 正座や横座りはせず、イスを使う
  • 歩く時は背筋と膝を伸ばして歩く
  • 急な動きや膝をひねる動作をしない
  • 無理に重い荷物を持たない
  • 布団をベッドに変える

ここでは一例を示しました。詳しくは別項で解説しています。

◆その他の要因


  • ハイヒールやサイズの合わない靴、靴底の硬い靴を履いている
    →膝に大きな負担がかかるため、運動用のシューズやスニーカーを使うようにする
  • 膝を冷やしたり圧迫することがある
    →「冷え」や「圧迫」は血液の流れ(血行)を悪くし、痛みを悪化させたり治りにくくします。毎日ゆっくりお風呂につかったり、膝を冷やさないための対策をしましょう。
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