変形性膝関節症で痛むケース

『膝の痛み』タイトル
膝の痛みを症状から調べる 膝の痛みを原因から調べる
サブメニューに移動
膝の痛みの対策と予防 イラスト図解:膝関節の構造・骨格・筋肉 膝の痛みの体験談

膝の痛みTOP > 原因一覧 > 変形性膝関節症

変形性膝関節症とは(症状・原因・治療)

膝の痛みを引き起こす可能性のある障害や病気の一つに「変形性膝関節症」があります。
ここでは膝の痛みとの関係を交えながら解説します。

スポンサーリンク

1.変形性膝関節症が疑われる症状

動作時のひざの痛みと動きの悪さ

膝の痛みのほかに以下のような特徴や症状が見られる場合、変形性膝関節症が発症している可能性があります。


  • 立ったり座ったり歩いたりと、膝を動かし始める時にひざが痛む(初動痛)
    →ある程度動いた後や入浴時は痛みが軽減する
  • 坂道や階段を登り降りする時にひざが痛む
    →上りの時より下りの方が痛み、関節がはれる
  • 膝の動きに制限や違和感がある
    →関節がこわばって動きが悪い
    →ひざが一定以上に曲がらない、伸ばせない

症状が出始めたころは、ある程度からだを動かしていると痛みがおさまるため安心して放置してしまいがちです。そうこうしているうちに症状が悪化すると、痛みが常に持続するようになり、更に悪化すると痛みが増大して正座ができなくなったり、歩くのがつらくなります。
このように、初めは膝がこわばるような軽い不快感や違和感から始まり、次第に痛みが増していくのが変形性膝関節症の特徴です。

ほかにも膝がきしむようなすれるような音がしたり、膝に水がたまる(関節水症)こともあります。リウマチと誤って診断される場合もありますが、リウマチは手の指の関節から変形などの症状が見られ始めるのが特徴です。

2.変形性膝関節症とは 〜 特徴や原因

膝の関節を形成している骨や軟骨が、様々な要因により、すり減ったり、欠けたり、形が変わったりして、それが元で膝の痛みや動きの制限といった障害が生じるものが変形性膝関節症です。

すり減った骨のかけらが周囲の組織を刺激すると炎症が起こって痛みが発生します。また、刺激によって関節内にある関節液という液体が過剰に分泌されると、いわゆる「膝に水がたまる」状態になり、膝にだるさなどの不快感を感じます。
病状が進行してクッションの役割を果たす軟骨が薄くなっていくと、徐々に骨も変形して関節の形が変わってゆきます。また、歳をとるほど関節をスムーズに動かす潤滑油の役割をする関節液の量も減少します。こうして関節の動きも悪くなってゆきます。

変形性膝関節症は自然な老化現象の一つとも言えるもので、ほとんどは中年以降の更年期に発症します。中高年者の膝の痛みを引き起こす病気の代表的なもので、歳をとって膝が痛くなった場合、大抵はこの疾患が原因です。

◆骨・関節に生じる異常

変形性膝関節症による骨の変化

  • 骨の一部がトゲのような形に変形する
    (骨棘形成)
  • 骨がもろくなり折れたりヒビが入る(骨粗鬆症
  • 骨が欠ける(関節ねずみの発生)
  • 軟骨が削れてカスが生じる
  • 軟骨が薄く硬くなる
  • 関節の隙間が狭くなる

◆骨が変形する原因

主な原因は「加齢」と「膝の負担の蓄積」です。
若い頃なら多少ひざに負担をかけても痛みや損傷は一時的なものですぐに回復します。しかし長年ひざを酷使して大きな負担をかけ続ければ、損傷がなかなか回復せず、骨や軟骨は徐々に劣化していきます。そうして膝を支える力が低下すると更に膝が傷みやすくなります。ここに歳をとることによる組織の老化も加われば、膝はよりいっそう弱く、もろく、壊れやすくなります。

健康的な生活を送り、体を丈夫に若々しく保っていれば、高齢になっても膝の痛みと無縁の人もいます。逆に不規則・不健康な生活を送っていたり、膝に負担となる要因を多く持つ人ほど膝の老化が早く、より若い年代から発症したり、障害の度合いも大きくなります。

変形性膝関節症を発症しやすい人

膝の痛みを発症するリスク


  1. 運動や栄養が不足している人
    骨、筋肉、靭帯といった膝の関節を支える組織は、運動によって適度な負荷や刺激を受けることで強く頑丈になります。また、そうした組織はタンパク質、脂肪、カルシウム、ミネラルなどの栄養素によって構成されているため、運動だけでなく十分な栄養をバランスよく摂取する必要があります。
    運動と栄養のどちらか一方が不足すると、膝は弱くもろくなります。特に高齢女性の場合、生理が終わり閉経を迎えると、体内のカルシウムの量が激減するため、骨量(骨密度)が減って骨に小さな穴がたくさんあいたスカスカの状態、いわゆる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の状態になりやすいため注意が必要です。

  2. 高齢者
    歳をとるほど体の新陳代謝が衰えて、骨や筋肉も衰えやすくなります。また、より長い年月膝を使い続けているため負荷も蓄積しやすくまります。

  3. 太った人、痩せ過ぎの人
    ただ歩行するだけでも膝には体重の2〜3倍の重荷がかかります。ムダな脂肪によって体重が増えた肥満体の人は、骨や筋肉が強化されていないのに、より重い体重を支えなければいけないので膝の負担がかなり大きくなります。また、痩せすぎの人は総じて十分な栄養が摂取できておらず、骨や筋肉が弱い傾向があります。

  4. O脚(がに股)の人
    膝を曲げた状態で立つと膝がつらいのと同様に、膝が常にやや外側に曲がった状態にあるO脚は、体重による負荷をまっすぐ足に向かって流せず、その分が膝に集中します。

  5. 立ちっぱなしの仕事は膝の負担が大きい

  6. 肉体労働の多い人、激しいスポーツをする人
    立ち仕事、重い物を運ぶ肉体労働、走ったりジャンプが多いスポーツなどは、膝に一度に大きな負荷がかかったり、長時間負荷がかかり続けます。短時間労働や適度な負荷であれば、骨が強化されるため逆に予防になります。

  7. 膝の大きなケガを経験した人、ケガや障害を繰り返している人
    膝の関節を構成する組織や、膝を支えるのに重要な役割を果たす箇所にケガや障害を経験した際、適切な治療が行われないと危険です。元の形や状態にきれいに再生しなかったり、完治せずに再発を繰り返しやすく、膝を支える力が弱くなります。また、そもそも大きなケガをしたり何度もケガを繰り返すケースでは、完全に元の状態に戻すのが難しく何らかの損傷や障害が残ってしまうことも多いです。膝の皿や半月板を損傷したり、靭帯を切ったことがある人などは要注意です。最初からしっかり治療を行うことが大事です。
スポンサーリンク

3.診断・治療・予防

◆診断

高齢者で膝に痛みや動きの悪さが見られる場合は変形性膝関節症の可能性が高いです。膝関節のレントゲン画像から骨の変形を確認して診断を確定します。

◆治療・予防

どんな症状が見られるかや、膝の変形がどのくらい進行しているかに合わせて、いくつかの治療法を組み合わせて治療を行います。
変形がそれほどひどくなく、日常生活に大きな支障が出ていないようであれば、まずは手術を行わない「保存的療法」で対処します。痛みを軽減しつつ、今以上に関節の劣化が進行しないようにする、または劣化を遅らせることを目的とします。

1.保存的療法

痛みそのものを軽減させる目的では、患部を温めて血行を良くする温熱療法、患部へのシップの貼付や消炎鎮痛剤の服用といった薬物療法などが行われます。
膝の負担を軽減する治療としては、膝をサポーターなどの器具で固定する装具療法、膝まわりの筋力や膝関節の柔軟性を高める運動を行い、膝を支える力を強める運動療法が中心となります。

<運動療法について>

関節がこわばって動きの制限が見られる場合は、関節をある程度動かすことで柔軟性を高めて痛みを軽くできるケースがあります。無理のない範囲で膝の曲げ伸ばしなどの柔軟体操を行います。
太もも前面の筋肉「大腿四頭筋」は、膝関節を支え、膝を伸ばす働きをする筋肉です。ここの衰えが膝の痛みにつながることが多いため重点的に強化します。筋力トレーニングは成果が出るまでに時間がかかるため、長期的な視点で治療を行います。

<薬物注射について>

膝関節の構造・関節液

膝に水がたまる症状(関節水症)がある場合、たまるのを防ぐために関節内にステロイド剤、ヒアルロン酸、コンドロイチンなどの薬を注射することがあります。
関節内には「関節液」という透明で粘り気のある液体が少量存在し、関節がスムーズに動くのを助ける潤滑油のような働きをしています。関節液の主成分の一つである「ヒアルロン酸」は加齢と共に量が減少するため、それが関節液の減少につながり、滑らかさを失った関節はすり減りやすくなって変形性膝関節症を誘発します。
ヒアルロン酸の注射は変形性膝関節症の有効な治療法の一つです。膝の関節内に直接ヒアルロン酸を注入して関節液を増やすことで関節の動きを滑らかにし、痛みや骨の摩耗を軽減します。


2.外科的療法(手術)

骨の破壊や変形が進み、保存的療法ではあまり効果がないと判断される場合は手術を行います。
手術には内視鏡を使って行う簡易なものから、骨の一部を切除するもの、傷んだ関節の一部を人工関節に取り替えるものなど様々な種類があります。
どの手術を行うかは、障害の内容、変形の程度、患者の状態や年齢等を考慮して状況に合ったものを選択することになります。
各手術法の詳細については別項『手術療法』を参照してください。


3.生活習慣の改善

保存的療法や手術による治療を進めると同時に、日常生活における膝の負担を減らす対策を行います。

  • 「膝に負担をかける姿勢や動作を避ける」
    正座、階段の下り、急な動き、重い荷物を持つなど。
  • 「肥満を解消して体重による負荷を軽くする」
    十分な栄養は摂取しつつ、カロリー制限と適度な運動を行います。過度のダイエットや激しい運動は逆効果です。
  • 「骨を強くする」
    骨が弱い人や骨粗鬆症の人は、軽めのウォーキングなど膝の負担が少ない運動を定期的に行い、カルシウム、ミネラル、タンパク質が豊富な食生活を心がける
  • 「O脚(がに股)を矯正する」
    O脚の原因には太もも前面の筋肉「大腿四頭筋」の衰えが関わっていることが多いため、ここを鍛えるトレーニングを行う。靴底の外側が厚い足底板(インソール)を利用するのも有効。
  • 「膝を冷やさない」
    毎日長めに入浴したり、膝を保温するサポーターを利用するなどして、膝を温めて血行を良くする。

【関連項目】

スポンサーリンク

このページの最初へ戻る

ひざ関節の構造(クリック拡大)
@
イラスト図解:膝関節の構造・位置・名称
A
ひざを構成する組織:半月板・靭帯・骨・軟骨
B
ひざの組織:関節包・滑膜・関節液
トップに戻る