膝への負荷が小さい理想的な姿勢・動作

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膝の痛みの対策と予防 イラスト図解:膝関節の構造・骨格・筋肉 膝の痛みの体験談

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姿勢や動作を正して膝痛対策

体重を支え、足の動きをコントロールする役割を持つ膝には、常に大きな負荷がかかります。そのため普段の何気ない姿勢や動作でも思った以上に負担となり、それが積み重なることで膝に痛みを生じます。
膝痛を改善・予防するには、膝の負担が少ない理想的な姿勢や動作を身につけることが大切です。理想的な立ち姿勢、座り姿勢、歩き方、その他の動作をイラスト付きで紹介します。

<目 次>

  1. 姿勢 - 立ち方、座り方
  2. 歩き方
  3. その他の動作
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1.正しい姿勢

◆立ち方・立ち姿勢

膝に良い理想的な立ち方

<ポイント>

  • 背筋を伸ばしてアゴをひく
    頭の上についた"ひも"で上に引っ張られているようなイメージ。上半身は力を抜いて自然にする。背中に力が入り背筋をピンと張りすぎた状態は、背骨の自然なカーブが消えるため腰に良くない
  • 肩の力を抜き、ひざは力をいれずに軽く曲げる
  • 足の親指のつけ根に体の重心を置く(足の親指で立つ気持ちで)
  • 背中が丸まっていたり胸を反りすぎていたりと、重心が前後左右にずれた姿勢は膝への負担が大きくなる

◆座り方・座る姿勢

座る時はできるだけ椅子に腰かけるようにしましょう。膝や腰への負担が一番少なく、立ち上がる時にテーブルに手をつくことができるので、それだけひざへの負担が軽くなります。

<イスを使わない座り方について>

  1. 正座
    自然と背筋が伸びるため、腰や背中にやさしい座り方ですが、膝への負担はとても大きいため極力避けましょう。どうしてもという時はお尻の下に座布団などを挟むと膝の負担を減らせます
  2. あぐら
  3. 足を投げ出す
    2と3の座り方は膝の負担は小さめです。ただし背中が丸まりやすく腰や背中にはよくないため腰痛持ちの人は注意しましょう。壁や座椅子の背もたれに背中をぴったりつけて寄りかかると腰の負担が少なくなります
  4. 横座り(女の子座り)
    膝と腰への負担が大きい上に、体のゆがみや膝関節のねじれを生じます。絶対にやめましょう
  5. 立てひざ座り
    背中が丸まり、腰にもひざにも良くない座り方です
  6. 体育座り
    膝の負担は小さいです。両腕でバランスもとれるため楽に思える姿勢ですが、背中が丸まってしまうほか、お尻への負荷が大きく骨盤がゆがみやすいなど、腰や背中にはよくありません。
膝に良い座り方・悪い座り方

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2.歩き方

◆理想的な歩き方

イラスト図解:ひざにやさしい歩き方

膝にかかる負担が少ない「股関節歩き」

背筋とピンと伸ばし、膝もしっかり伸びた状態で、かかとから着地します。ひざや腰にかかる負担が少ない歩き方です。
歩くのに合わせて自然に手を振り、大股で歩きます。からだが左右にブレず、頭も上下に動かず一定の高さを保つのが特徴です。音で表現すると「カツカツカツ」という感じです。


日本人に多い「ひざ歩き」

膝を曲げて上体を揺らしながら歩く「ひざ歩き」は日本人に多く見られ、膝に余計な負担がかかります。
背中を丸め、歩くたびに頭が上下に動いて、足を踏み出すたびに右へ左へと全身が揺れるヒョコヒョコとしたく歩き方です。脚を踏み出す時も着地する時も、常に膝が軽く曲がっているのが特徴です。

ひざに良い歩き方・悪い歩き方


◆階段の上り下り

ひざへの体重の負荷を減らす階段移動

階段では平坦な道を歩くときより膝への負担が大きくなります。特に下りの時にかなりの負荷がかかるため、膝を痛めている人は注意が必要です。

通常、階段では両足を交互に使って、一段一段片足だけで上り下りをしますが、これだと両足に大きな負荷が等しくかかります。膝の痛みがひどい場合は、一段ずつ両足を揃えてから動くようにしましょう。

階段を上るときは、痛みのない方の脚から踏み出し、次に痛む方の脚を上げて両足を揃えます。こうするとひざに負担がかかりにくくなります。
下りるときは上るときとは反対に、痛む方の脚から踏み出して、次に痛みのない脚を下ろしていったん両足を揃えるようにします。


3.その他の動作

日常生活における何気ない動作でも、繰り返し行ったり長時間続けることで膝に大きな負荷をかけるものがあります。ここで紹介するような対策を実践したり、疲れを感じたら無理せず休憩を入れることが大事です。

立つ、しゃがむ動作について
動作を一つ一つ区切って、ゆっくりと行いましょう。突然ガバっと立ち上がったり、急に座ったり、歩いている最中に急停止するなどの急激な動作は膝関節に大きな負担をかけます。
立ちっぱなしで作業をする時
調理などの家事で長時間立ちっぱなしになる時は、足元に低い台を置いて片足を乗せると楽になります。可能であれば椅子に腰掛けて作業をしたり、支えになるものにつかまったり、台に手を置いて作業をすると良いでしょう。
ひざの負担を和らげる姿勢
重いものを持ち上げる時
持ち上げる物は体の正面近くまで引き寄せ、かがむ時はしっかりと膝を曲げ、腰を落とします。
物を持ったらお腹に引き寄せ体に密着させます。物をしっかり両腕で固定したら、腕の力ではなく、太もも、お尻、腰の筋肉をすべて使うつもりで体全体で持ち上げます。
イラスト:荷物を持ち上げる時の姿勢
荷物の持ち方
荷物を持つときは、片方の手だけで持ったり、片方の肩ばかりにバッグを掛けると、重心がかたよって膝関節の変形が進む原因になります。左右の重さが均等になるように、なるべく両手で持ったり、ときどき持ち手を変えるように意識しましょう。
荷物が多く重くなりそうな時は、キャリーバッグ、リュックサック、手押し車などを利用すると便利です。

◆膝にやさしい洋式の生活スタイルを取り入れよう

膝にやさしい生活様式:和式から洋式へ

畳に座ったり、布団を敷いて寝るといった和式の生活スタイルは、イスとテーブルに代表される洋式の生活よりも立った時と座った時の高低差が大きくなります。そのため膝を大きく曲げ伸ばしをするなど負担の大きい動作が多くなります。
生活スタイルを和式から洋式に替えることで、膝の負担を減らし痛みを軽減することができます。


  • 布団をベッドに替える
    しゃがみ込むことがなく、起き上がりも楽になります
  • 畳に座らないでイスやソファーに座る
    椅子は膝にも腰にもやさしい上、立ち上がる時にテーブルに手をつくことができるので膝の負担が軽くなります
  • 和式便座を洋式便座に替える
    しゃがみこんだ状態を維持する和式便座は膝に体重がかかり続けます
  • 階段、トイレ、お風呂など、上り下りやしゃがむ動作の多い場所には手すりを付ける

関連項目


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