ひざの痛みの原因/種類別一覧

メニュー > 原因一覧

ひざの痛みにつながる3つの要因

膝の痛みの多くは、膝にかかる負荷によって筋肉・骨・軟骨・靭帯・関節包といった組織が傷むことで生じます。ここでは膝に負担をかける主な要因を種類ごとに大きく3つに分類し、痛みの原因となる病気や障害にはどんなものがあるのか、簡単な内容説明と共に一覧表示しています。

※「病名」を選択すると、病気や障害の詳しい解説ページに移動します。現れる症状の内容や程度には個人差がありますので、あくまで参考とするに留めてください。

<目 次>

  1. 「スポーツ、怪我(けが)、事故など」を主な原因とするもの
  2. 「日常的なひざの酷使や加齢による老化」を主な原因とするもの
  3. 「病気や生体機能の異常」を主な原因とするもの
  4. 1〜3を含む様々な原因で発生するもの
スポンサーリンク

1.主にスポーツ、怪我(けが)、事故などを原因とするもの

サッカーやラクビーなど相手との接触が多い競技、バレーボールやバスケットボールなどのジャンプ系競技、マラソンなどの陸上競技、ジョギング・ランニングといった運動など、スポーツの多くは下半身を酷使します。
走る、跳ぶ、ダッシュ、急停止、方向転換など、スポーツ中の動作には膝に大きな負担をかけるものが多いため、スポーツ時のケガで最も多く発生し、重大なケガになりやすいのが「ひざのケガ」です。

ここでは膝の痛みを伴う障害のうち、主に膝のスポーツ障害として知られるものを紹介します。

膝のスポーツ障害は大きく2種類あります。一つはアクシデントや事故による「突発的なケガ」です。もう一つは十分な休息をとらずに運動・練習を続けて「膝の使いすぎ」によって起こるケガです。

1-1.突発的に起こる急性の怪我「スポーツ外傷」

膝に一度に強い衝撃や負荷が加わることで起こる障害です。大きな傷みが突然に生じるケースが多いです。

◆半月板損傷(はんげつばんそんしょう)

膝関節でクッションの役割を果たす軟骨組織「半月板」が、大きな負荷によって欠けたり断裂したりするもの。多くは膝が無理にひねられたり伸ばされたときに起こる

【主な症状・特徴】

◆靭帯損傷(じんたいそんしょう)

靭帯の一部が傷つき、裂けたり破けてしまう障害。明らかな損傷が見られない軽度なものが「捻挫(ねんざ)」で、重度のものには靭帯が完全に切れてしまう「靭帯断裂」などがある

【主な症状・特徴】

◆その他のひざのケガ

ひざ周りの骨の骨折、膝蓋骨(ひざの皿)の脱臼、捻挫、打撲など。ひざ関節内の組織(関節包など)が損傷しているケースもある。


1-2.膝の使いすぎによる経過性の「スポーツ障害」

膝に一定の負荷がかかり続けることで起こる障害です。最初は小さな痛みや違和感を感じ、徐々に症状が悪化してくケースが多いです。

◆腸脛靭帯炎(ランナー膝・ランナーズニー)

大腿骨(太ももの骨)の外側に位置する靭帯「腸脛靭帯」に炎症が起こるもの

【主な症状・特徴】

◆膝蓋腱炎(ジャンパー膝・ジャンパーズニー)

膝の皿とすねの骨をつなぐ膝蓋腱が傷つき炎症を起こしたもの。重症例では腱が完全に切れる「膝蓋腱断裂」が生じる。名前のとおりジャンプ競技やランニングで良く見られる

【主な症状・特徴】

◆タナ障害(タナ症候群)

膝の皿と大腿骨(太ももの骨)の間にあるヒダ状の膜(通称「タナ」)が炎症を起こしたもの。膝の屈伸と打撲を伴うスポーツ種目によく見られる

【主な症状・特徴】

◆鵞足炎(がそくえん)

膝の内側の腱に炎症が起こり痛みを感じる障害

【主な症状・特徴】 【主な原因】

◆オスグッド病

ひざの皿の下あたりの骨に、変形や膨張(ふくらみ)などの異常が起き、刺激に対して異常に敏感になるもの

【主な症状・特徴】 【主な原因】

◆離断性骨軟骨炎

骨の先端にある軟骨部分が壊死して骨の一部といっしょにはがれるもの。野球ひじ、テニスひじなども該当する

【主な症状・特徴】

◆膝蓋軟骨軟化症

膝蓋軟(ひざの皿)の裏側の軟骨が、大腿骨(太ももの骨)とこすれてすり減り、炎症を起したもの。軟骨の軟化・膨隆・亀裂などの変形を生じる。マラソン、ジャンプ系の競技で発症しやすい

【主な症状・特徴】

◆膝蓋骨不安定症

膝蓋骨(ひざの皿)の動く範囲が大きくなり、ひざに衝撃を受けた時などに脱臼しやすくなる障害

【主な症状・特徴・原因】

2.主に日常的な膝の使用や加齢を原因とするもの

膝は体重による負荷を分散し、体のバランスをとるのに重要な役割を果たします。最大で体重の10倍近くの負荷がかかる部位でもあるため、体の中でも特に骨や軟骨の劣化が起こりやすく、痛みが生じやすい箇所です。

また、骨、筋肉、靭帯などの体の組織は、30歳を過ぎた頃から徐々に衰え始めます。例えば軟骨は長年使われることでタイヤがすり減るように、骨同士の摩擦などですり減っていきます。

ここでは主に「日常生活における膝の使用や加齢」が原因でひざ関節が劣化し変形していく、つまり体の自然な老化現象の一つとして膝の痛みを生じる障害を紹介します。
「運動不足による肥満・膝の筋力や柔軟性不足」、「立ち仕事や重い荷物を持つ行為」、「O脚(がに股)」などは、膝の負担を大きくする要因であり、こうした要因が多い人ほど膝の障害が発生しやすく発症年齢も早くなりがちです。

◆変形性膝関節症

ひざ関節の骨や軟骨がすり減ったりもろくなったりして変形した状態

【主な症状・特徴】

◆膝蓋大腿関節症

ひざの皿(膝蓋骨)と太ももの骨による関節「膝蓋大腿関節」に炎症が起こるもの

【主な症状・特徴】

◆膝蓋骨不安定症

膝蓋骨(ひざの皿)の動く範囲が大きくなり、ひざに衝撃を受けた時などに脱臼しやすくなる障害

【主な症状・特徴】
スポンサーリンク

3.主に病気や生体機能の異常を原因とするもの

炎症を引き起こす細菌によるウィルス性疾患、骨や軟骨にできる腫瘍、骨の破壊や変形を伴う障害など、症状の一つとして膝の痛みが見られることもある病気を紹介します。

原因がはっきりしているものもあれば、原因不明のものもあります。先天性(生まれつき)のもの、遺伝性のもの、子供の成長過程で発症しやすいものなど、様々な特徴が見られます。

◆風邪(かぜ)・インフルエンザ

【主な症状・特徴】

◆変形性股関節症

股関節の骨や軟骨がすり減ったり、形が変わったりする病気

【主な症状・特徴】 【主な原因】

◆単純性股関節炎

股関節に炎症が起きる病気

【主な症状・特徴・原因】

◆ペルテス病

大腿骨(太ももの骨)の股関節側に血液が循環しなくなり、骨が破壊され変形する病気

【主な症状・特徴・原因】

◆骨軟骨腫(こつなんこつしゅ)
◆内軟骨腫(ないなんこつしゅ)

骨の表面や内部にできる良性の腫瘍(しゅよう)

【主な症状・特徴】
  1. 骨軟骨腫
    • 膝の周辺に骨のように硬い腫れやこぶが見られる
    • 膝の痛みや、膝関節の動きの悪さ
    • 10代の成長期の若者に多く見られる(全体の約半数)
  2. 内軟骨腫
    • 膝の骨にできた腫瘍が大きくなると周囲を圧迫して痛みを生じる
    • 骨がもろくなり骨折しやすくなる
【主な原因】

◆骨肉腫(こつにくしゅ)
◆軟骨肉腫(なんこつにくしゅ)

骨や軟骨にできる悪性腫瘍(がん)。発生後に腫瘍は固く骨化する。軟骨肉腫は悪性の度合いは低く、腫瘍の成長スピードも遅め

【主な症状・特徴】
  1. 骨肉腫
    • 運動時に膝に軽い痛みを感じる
    • 膝が腫れる。熱感を持つこともある
  2. 軟骨肉腫
    • 膝に大きな「こぶ」ができ、そこから痛みを感じる
    • 20〜60歳代と幅広い年齢層に発症し、中でも40歳以上の中・高年に多い(全体の半数近く)。男性が女性の約2倍と多め
【主な原因】

◆痛風(つうふう)

血液中の尿酸という物質の増加により、痛みの発作や腎臓機能の低下などの様々な症状が現れる病気

【主な症状・特徴・原因】

◆関節リウマチ

全身の関節に炎症が広がり、関節が壊れてしまう病気

【主な症状・特徴・原因】

◆大腿骨頭壊死

大腿骨(太ももの骨)の先端が血行悪化で破壊され変形する病気

【主な症状・特徴・原因】

◆神経病性関節症(シャルコー関節)

脊髄の中を通る神経に障害が起こり、下半身の感覚が鈍って痛みなどを感じにくくなる病気

【主な症状・特徴・原因】

◆化膿性関節炎

関節内に細菌が侵入して炎症が起こり、関節が化膿する病気

【主な症状・特徴】 【主な原因】

◆結核性関節炎

結核菌が関節内に侵入して炎症を生じさせる病気

【主な症状・特徴】 【主な原因】

◆膝蓋骨不安定症

膝蓋骨(ひざの皿)の動く範囲が大きくなり、ひざに衝撃を受けた時などに脱臼しやすくなる障害

【主な症状・特徴・原因】

◆有痛性分裂膝蓋骨

膝蓋骨(ひざの皿)が割れたように2個以上に分裂している病状

【主な症状・特徴・原因】

◆色素性絨毛結節性滑膜炎

関節の内側を覆う「滑膜」の組織が異常に増殖して塊ができ、出血を繰り返す病気

【主な症状・特徴・原因「】

◆滑膜骨軟骨腫症

関節内の滑膜に腫瘍(しゅよう)ができ、骨化したカケラ(遊離体)を大量に発生させる病気

【主な症状・特徴・原因】

◆血友病(けつゆうびょう)

人に本来備わっている「出血時に血液が固まって止血する機能」が遺伝子の異常によって失われている先天性(生まれつき)の病気。
わずかなケガでも出血しやすく、一度出血すると自然に止血することが困難。出血は皮膚上だけでなく、筋肉内、関節内、皮下など体内でも繰り返し起こる。

【主な症状・特徴】 【主な原因】

4.様々な原因で発生するもの

スポーツ障害、事故、加齢、病気など様々な原因で発生し、ひざの痛みの原因として多く見られる障害です。

◆関節ねずみ(関節内遊離体)

関節の骨や軟骨が一部欠けたりはがれたりして、破片が関節内を動きまわるもの

【主な症状・特徴・原因】

◆関節水症(かんせつすいしょう)

関節内の液体「関節液(滑液)」の量が異常に増える病状で、いわゆる"膝に水がたまる"状態のこと

【主な症状・特徴】 【主な原因】

◆膝内障(しつないしょう)

膝内障とは、病気以外の原因によるひざ関節の損傷や障害全般を指す総称です。
現在ではそれぞれの疾患にはっきりと病名がついて個別に扱われるため、膝内障という病名はあまり使われなくなっています。おおまかに膝の損傷・障害と診断された時に使い、何の病気・障害なのかはっきりした時点で個々の病名に切り替えます。

【主な症状・特徴】
スポンサーリンク
スポンサーリンク
トップに戻る