運動療法2.ストレッチングで膝の動きを改善

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膝関節の動きを良くするストレッチング(柔軟体操)

<目 次>

  1. ストレッチングの効果と運動時のポイント・注意点
  2. 膝から上「太もものストレッチング」
  3. 膝から下「ふくらはぎ・アキレス腱のストレッチング」
  4. お風呂で行うストレッチング
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1.ストレッチング(柔軟体操)の効果とポイント

◆得られる主な効果

ストレッチングの主な効果は「膝の動きを良くすること」です。
"関節がスムーズに動かない"、"膝を伸ばしきったり深く曲げることができない"といった症状に対して特に有効です。

◆ストレッチングを行う際のポイント・注意点

運動全般のポイントと注意点については下記を参照してください。

2.太もものストレッチング

ひざから上の太もも周辺の筋肉や靭帯を伸ばすストレッチング法を紹介します。
前後左右の四カ所をしっかり行いましょう。

2-1.太もも前面の筋肉「大腿四頭筋」のストレッチング

やり方①

  1. 座って両足を前に伸ばす
  2. 片方の足のひざを折りたたむように曲げる。この時点で太ももの前面が伸びてつっぱるような感じがすれば筋肉がよく伸びている
  3. その状態でも余裕があれば、上体をゆっくりと後ろに倒して負荷を強める
  4. 筋肉が伸びて気持ちいいところで止め10秒保つ。これを5〜10回繰り返し行う。反対側の足も行う

やり方②

  1. 足を伸ばしてうつ伏せになる
  2. 片足を曲げ、つま先付近をつかみ、痛みのない範囲でお尻に引き寄せる
  3. この状態で10秒間保つ。これを5〜10回繰り返し行う。反対側の足も行う
  4. ※横向きに寝たり、立った状態で行ってもよい

2-2.太もも裏面の筋肉「ハムストリングス」のストレッチング

やり方①

  1. 片方の足を曲げ、もう片方の足を伸ばして座る
  2. 伸ばした方の足首に触るように、上体を傾けていく。実際に触れなくてもよいので、無理のない範囲で前屈する
  3. この状態で10秒間保つ。これを5〜10回繰り返し行う。反対側の足も行う
  4. (ポイント)伸ばした方は膝の裏をしっかり伸ばす

やり方②

  1. あお向けに寝て足を伸ばす
  2. 片足を曲げ、膝の裏側を両手で抱え、痛みのない範囲で胸に引き寄せる
  3. この状態で10秒間保つ。これを5〜10回繰り返し行う。反対側の足も行う

2-3.太もも内側の筋肉「内転筋」のストレッチング

  1. 足の裏を合わせるようにして座る
  2. 足を無理のない範囲で体の方に引き寄せる
  3. 手で足の甲を押さえたまま、両脚を広げて太ももの内側の筋肉を伸ばし、10秒間保つ。これを5〜10回繰り返し行う。反対側の足も行う
  4. ※余裕があれば上半身を前に倒して前屈したり、両手で両膝を下に軽く押し広げる

2-4.太ももの外側(腸脛靭帯)とお尻(大殿筋)にかけて伸ばすストレッチング

やり方①

  1. あお向けに寝て両足を伸ばす
  2. 膝を曲げた左足を、体と垂直になるように上げる
  3. そのまま左足を右側に倒す。左足が浮かないよう右手で上から軽く押さえる。
    この時、左肩が床から離れ過ぎないように首は左を向くとバランスが取りやすい
  4. この状態で10秒間保つ。これを5〜10回繰り返し行う。反対側の足も行う

やり方②

  1. 両足を伸ばして座る
  2. 左足を曲げて右足の上をまたぐ
  3. 右腕を左足の左側に差し込み、腕やひじを使って、左膝を内側に押す。同時に腰と首は左側にひねる
  4. この状態で10秒間保つ。これを5〜10回繰り返し行う。反対側の足も行う
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3.膝から下のストレッチング

ふくらはぎの筋肉は「下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」といい、腓腹筋(ひふくきん)、ヒラメ筋などから構成され、主に足首を曲げ伸ばしする働きをもちます。アキレス腱はふくらはぎの筋肉とかかとの骨を結ぶ硬いゴムのような組織で、歩いたりジャンプする運動の際に必要なものです。

◆ふくらはぎの筋肉とアキレス腱のストレッチング


ふくらはぎを伸ばすやり方①

  1. 壁や手すりの前に立ち、足を前後に開く
  2. 前に踏み出した膝を軽く曲げ、腰を前に押し出すようにする。このとき、腰が反らないように気をつける
  3. この状態で10秒間保つ。これを5〜10回繰り返し行う。反対側の足も行う
  4. (ポイント)※頭の先からかかとまでが真っすぐになるように意識する

ふくらはぎを伸ばすやり方②

  1. 床にあお向けになり、両足を伸ばす
  2. 両足のかかとを床につけたまま、両足首をゆっくり手前に反らし、5秒キープする
  3. つま先を立てるように両足首をゆっくり向こう側に曲げ、5秒キープする。これを10回程度繰り返す
  4. ※イスに座った状態で行なっても良い

アキレス腱を伸ばすやり方

  1. 脚を前後に開いて立つ
  2. 後ろ側のひざを軽く曲げて、かかとを床につける
  3. そのままゆっくりと腰を落とす
  4. この状態で10秒間保つ。これを5〜10回繰り返し行う。反対側の足も行う

4.お風呂で行うストレッチング

入浴中にできる膝のストレッチング法です。特に膝の痛みが強い人におすすめです。
浴槽につかって十分に体を温めてから行いましょう。足が滑らないように十分気をつけてください。


やり方① 膝の曲げ伸ばし

  1. 浴槽のふちにしっかりとつかまって、ゆっくりとしゃがんでいく
  2. 痛みのないギリギリのところまで曲げたら、そのまま10秒間保つ
  3. 浴槽のふちにつかまり、ゆっくり立ち上がる。膝に手を当ててゆっくり10回押して膝を伸ばす。これを2回繰り返す

やり方② 脚の後ろ側のストレッチング


  1. 浴室用のいすに腰かけ、背すじを伸ばす
  2. 両足を前に伸ばしてかかとを立てる
  3. 両手でひざを押し、前屈する
  4. この状態で20〜30秒間保つ。痛みの出ない無理のない範囲で行う

やり方③ 膝のストレッチング

  1. 湯船から出て、足をそろえて立つ
  2. 膝の上あたりを両手で軽く押さえて、膝の裏側の筋肉を伸ばす
  3. この状態で20〜30秒間保つ。痛みの出ない無理のない範囲で行う

◆関連項目


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