膝の痛みを引き起こす可能性のある障害や病気の一つに「化膿性関節炎(かのうせいかんせつえん)」があります。
ここでは膝の痛みとの関係を交えながら解説します。
膝の痛みのほかに以下のような特徴や症状が見られる場合、化膿性関節炎が発症している可能性があります。
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膝の激しい関節痛のほかに、悪寒・ふるえ・発熱などの風邪のような症状が見られるのが特徴です。加えて、食欲不振、全身のだるさ(倦怠感)などが見られることもあります。
【関連項目】
主に黄色ブドウ球菌などの細菌が関節内に侵入して炎症が起こり、関節が化膿する(膿(うみ)がたまる)病気が化膿性関節炎です。
病気が進行すると骨や関節軟骨が破壊されて変形してしまいます。放置すればどんどん破壊が進み、膝に障害が残って日常生活に支障をきたすようになるため、早急に治療を受ける必要があります。
膝関節での発症が最も多く、次いで股関節、肩関節、足関節に発症しやすいです。年齢で見ると抵抗力・免疫力の低い幼児や高齢者に多く見られます。
細菌感染が起こる原因はいくつかあります。
これらの検査結果をふまえ、総合的に判断します。
【関連項目】
化膿性関節炎は病気の進行が早いため、早急に治療を行う必要があります。
関節をギプスなどで固定し、抗菌・抗炎症効果のある抗生物質の点滴を中心に治療を行います。関節内に膿(うみ)が溜まっていれば注射器で膿を吸引します。それでも効果が不十分な場合は、膝を切開して膿や傷んだ組織を取り除いき、関節内を洗浄する手術を行います。膿を排出するための管を一時的に入れておく場合もあります。
病巣が小さければ、膝を大きく切開する必要のない関節鏡(内視鏡)を使った手術「関節鏡下郭清術」で対応できることもあります。
細菌の感染を完全に防ぐのは難しいため、感染に対する抵抗力をつけておくことで発症率を下げ、感染後の治りを早めることもできます。栄養・運動・睡眠の三要素を充実させることが抵抗力アップの一番の近道です。 また、日頃から疲労やストレスをためすぎないように注意しましょう。