膝によくない生活習慣

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膝の痛みにつながる要因・危険因子

体重を支え、足の動きをコントロールする膝には、常に大きな負荷がかかっています。そこへ更に膝の負担を大きくする要因が重なると、膝の痛みやケガなどの様々な障害を発症します。日常生活における主な危険因子について解説します。

<目 次>

  1. 膝の酷使・使いすぎ
  2. 運動不足による膝の老化、肥満
  3. 不適切な姿勢や動作、服装
  4. 足の形(O脚やX脚)、足のねじれ
  5. スポーツや事故によるケガ・外傷
  6. 膝の「冷え」や「締めつけ」
  7. まとめ - 膝の障害を発症しやすい人・ライフスタイルチェックリスト
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1.膝の酷使・使いすぎ

歩く、走る、立ち上がる、座る、跳ぶ(ジャンプする)、階段を上り降りするなどの動作では、膝の曲げ伸ばしを行った時に関節に体重がかかります。この時、膝の上下の骨(太ももの骨「大腿骨」とすねの骨「脛骨」)がこすれ合います。膝を動かす回数が増えるほど沢山こすれて、骨の先端をおおっている軟骨がすり減ってゆきます。

このような体重がかかった状態での膝の使いすぎは、運動やスポーツ、体を動かす仕事や家事において良く見られます。

◆運動・スポーツ

ランニングなどの軽めの運動から、球技・陸上競技・格闘技といったハードなスポーツまで、膝を使わないものはほとんどありません。
「長時間走り続ける」、「何度もジャンプを繰り返す」、「急な方向転換をする」、「ダッシュする」、「急停止する」、「足をふんばる」などの行為は特に膝に大きな負荷がかかります。

膝に大きな衝撃が加わった時だけでなく、疲労が溜まっているのに十分な休息をとらなかったり、ウォームアップやクールダウンなどの準備運動を十分に行わないで運動した時も膝を痛めやすくなります。

◆仕事や家事

日常生活の中で膝に大きな負荷をかけている人は、軟骨がすり減りやすくなります。
接客や警備員などの立ちっぱなしの仕事、重い荷物を持ったり、無理な姿勢を取ることの多い肉体労働などは膝の負担が大きくなります。
正座を多くする人や、農作業などしゃがむ姿勢をとることが多い人も要注意です。

2.運動不足による膝の老化、肥満

◆膝の老化について

十分な栄養をとり適度な運動を行っていれば、筋肉や骨などの組織は若々しく丈夫な状態を保てます。しかし運動不足によって膝まわりの組織が老化して弱くなると、膝を支える力が弱まり、小さな負荷でも骨や軟骨が痛みやすくなります。


<過保護は痛みを悪化させる>

膝の痛みがひどいときは無理に動かさず安静にする必要がありますが、痛みが落ち着いて膝をある程度動かせるようになったら、無理のない範囲で積極的に動くことが大切です。
膝を動かさずにいると、関節を動かす筋肉がこわばって萎縮し、筋力が低下していきます。その結果、下半身の血行が悪くなり関節の動きも悪く不安定になって、ますます痛みが強くなってしまいます。


◆肥満のリスク

平坦な道を歩くだけでも、膝には体重の2〜3倍の重荷がかかります。太っているほど重い体重を支えなければいけないので膝の負担は大きくなります。しかも体重が重いほど以下のようなデメリットがあります。

筋肉質でがっちりとした体型の人も体重は重いですが、見た目太っているように見えても実際は筋肉量が多く、骨も太く丈夫なため体重を十分支えられます。危険なのは運動不足や食べ過ぎで余分な脂肪のついた肥満体の人です。


<肥満につながる生活習慣>

運動不足のほかに以下のような生活習慣が肥満を招きます。

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3.不適切な姿勢や動作、服装

◆立ち方、歩き方、靴による影響など

膝に良くない不適切な動作や悪い姿勢を長く続けるほど膝関節が傷みやすく、若いうちから膝に障害が起こりやすくなります。


4.足の異常

◆足の形について

O脚やX脚などの足の変形があると、足の重心が内側や外側にかたよって体重がかかるため、片方の足の関節軟骨がすり減りやすくなります。

O脚とは、膝が外側に曲がっていて、直立時に両ひざの間に指3本くらいの大きなすき間が空いている状態のことで、俗に「がに股」とも呼ばれます。
O脚では膝関節の内側に強い圧力がかかるため、内側の関節軟骨だけが先にすり減って、ひざの内側に痛みが起こります。関節の変形が進むとO脚の度合いも強くなっていきます。

X脚とは、膝が内側に曲がった、いわゆる「内股」の状態です。膝から上は内側を向き、膝から下は外側に広がって、足がアルファベットの「X」のように変形しています。膝関節の外側に強い圧力がかかるため、外側の関節軟骨だけが先にすり減ります。O脚よりも痛みが生じにくく痛みの度合いも弱めです。

◆足のねじれについて

ひざの痛みに関係する足の異常のもう一つに「足のねじれ」があります。
足の軸方向のねじれで、女性に多く見られます。特に太ももの骨「大腿骨」で起こることが多く、歩く時や走る時に膝関節に負担がかかります。

足がねじれの有無は普段の座り方である程度チェックできます。
「あぐら」をかくことの多い人はねじれが少なく、「横座り・女の子座り」が楽だと感じる人はねじれが大きい傾向があります。子供の頃からあぐらをかく練習をしておくと大腿骨のねじれの予防にもなります。

5.スポーツや事故によるケガ・外傷

膝のケガ・外傷が痛みの原因となるケースでは、ケガの発生直後に痛み出すこともあれば、若い頃のケガが原因で歳をとってから痛み出すこともあります。

ケガの治療が十分でなかったり、骨の変形が残ったりすると、膝の衝撃吸収力が弱まって大きな負荷がかかるようになり、軟骨が早くすり減ってしまいます。
例えばスポーツや交通事故で足を骨折した時に、膝の関節内まで損傷が及ぶことがあります。関節軟骨の表面に段差ができたり、折れた骨の断面がずれた状態でくっついてしまったりすると、軟骨が削られやすくなります。

他にも、スポーツ障害として良く見られる靭帯損傷半月板損傷になった人も、障害が残ったり、治療が不完全だったことで膝を支える力が弱まり、軟骨がすり減りやすくなります。また、ひざを脱臼(だっきゅう)した時は軟骨や靭帯が傷ついてしまいます。

6.膝を冷やしたり圧迫する行為

体に生じる痛みはほとんどのの場合、「患部に起こる炎症」が元となっています。
何らかの刺激によって膝の関節に炎症が起こると、更に炎症を悪化させる化学物質が放出されたり、ひざに水(関節液)がたまるなどして症状が悪化していきます。
炎症にともなう痛みを悪化させるのが「患部の冷え」と、それに伴う「血行不良」です。

膝を冷やしたり、きつい服を着るなどして膝まわりを締めつける行為は、筋肉を固く緊張させて血液の流れ「血行」を悪くします。血液がうまく流れないと、炎症を強める科学物質や疲労物質が排出されずに膝の関節内にとどまります。放っておくと腫れや痛みはどんどんひどくなり、治りも遅くなります。
また、冷えることで筋肉や靭帯などの組織が硬くなり、柔軟性が低下して膝が傷みやすくなる悪循環も招きます。

7.膝に痛みや変形などの異常を生じやすい人


  1. 中高年者
    加齢にともない、自然な老化現象としてひざの老化が進む

  2. スポーツ選手、立ち仕事・肉体労働の多い人
    膝に大きな負荷をかける場面が多い

  3. 太っている肥満体の人
    筋力の増加を伴わず、体重のみが増えることで膝の負担が大きくなる

  4. 運動不足の人、靭帯断裂などの外傷を経験した人
    膝関節を支える筋肉、靭帯、骨などの組織が弱い

◆ライフスタイルチェック

以下の項目のうち、あてはまものが多いほど膝の負担も大きく、痛みのリスクが高くなります。


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