膝蓋大腿関節症でひざが痛むケース

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膝蓋大腿関節症とは(症状・原因・治療)

膝の痛みを引き起こす可能性のある障害や病気の一つに「膝蓋大腿関節症(しつがいだいたいかんせつしょう)」があります。
ここでは膝の痛みとの関係を交えながら解説します。

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1.膝蓋大腿関節症が疑われる症状

膝蓋骨の痛みと動きの違和感

膝の痛みのほかに以下のような特徴や症状が見られる場合、膝蓋大腿関節症が発症している可能性があります。


  • 膝の皿(膝蓋骨)の上部を中心に痛みを感じる
  • 膝の皿が大きく動くような感じがする
  • 膝が腫れる
  • 膝がこわばって動かしにくい

病気の初期は、膝を動かした時に痛みを感じ、動くのをやめて安静にしていると次第に痛みが消えます。病気が進むにつれて痛みが大きくなり、休んでもなかなか痛みがとれなくなってきます。ひどいと安静時にも痛むことがあります。

また、膝の皿の脱臼(だっきゅう)を伴うこともあり、こうなると皿がズレているような違和感、不安定感を感じます。

<症状の似ている膝の障害>

2.膝蓋大腿関節症とは 〜 特徴や原因

膝には2つの関節があります。一つは、膝から上の太ももの骨(大腿骨)と、膝から下のすねの骨(脛骨)からなる「大腿脛骨関節」です。もう一つは、膝蓋骨(ひざの皿)と大腿骨からなる「膝蓋大腿関節」です。
後者の膝蓋大腿関節に炎症が起こるものが膝蓋大腿関節症です。

関節を構成する骨の軟骨がすり減ると、それによって生じたカスや骨のかけらが周囲の組織を刺激し、炎症が起こって痛みが生じます。また、骨がトゲのような形に変形した「骨棘(こっきょく)」ができて周囲の組織を刺激することでも痛みます。加齢や膝の酷使によって関節が変形する病気「変形性膝関節症」が膝蓋大腿関節に発症したものといえます。

イラスト図解:膝蓋大腿関節

◆原因

変形性膝関節症と同じく、加齢によって膝の組織が老化したり、長年膝を酷使し続けて負荷が蓄積することによって、軟骨がすり減りやすくなり骨の変形につながります。

そのほか、膝蓋骨の脱臼(だっきゅう)によって生じることもあります。通常、膝蓋骨と大腿骨はうまくかみ合うようにできています。しかし、膝蓋骨が本来あるべき場所から外側へずれる「脱臼」がおこると、ズレによる摩擦で軟骨がすり減ります。膝蓋骨脱臼は放置しておくとどんどん軟骨が痛み、ひどくなると骨にまで影響が出ることもあります。
膝蓋骨の脱臼は、スポーツなどでジャンプの着地時に太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮した時に起こるほか、外部から膝の皿に強い衝撃を受けた時、周辺の靭帯が緩んでいる時など、様々な原因で起こります。生まれつき膝蓋骨や大腿骨の形の異常が見られる人も脱臼しやすくなります。思春期の女性も女性ホルモンの影響で関節が緩くなりやすいため発症しやすいです。

ちなみに骨や関節の異常によって膝蓋骨が脱臼を起こす症状を「膝蓋大腿関節不適症候群」と呼びます。

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3.診断・治療・予防

◆診断

問診、視診、触診で、膝の痛みの特徴や膝蓋骨の位置のズレを確認します。
更に膝のX線撮影(レントゲン)を行い、画像から骨の位置や変形を確認して最終的な診断を下します。

◆治療・予防

治療法は変形性膝関節症と同じです。患部を固定した状態で安静を保ちながら、温熱療法や薬物療法によって炎症を押さえて痛みを軽減します。必要があれば膝まわりの筋力トレーニングを行い、筋肉や靭帯を強化して膝を安定させます。
こうした保存的療法で効果がみられない場合は各種手術を行うこともあります。症状に応じて、骨のかけらを取り除いたり、骨を一部切除して形を変えたり、膝蓋骨の位置を固定する手術などが行われます。

内側広筋
イラスト図解:内側広筋の位置

太ももの筋肉「大腿四頭筋膝」を始めとした膝周りの筋力トレーニングは、変形性膝関節症の治療や予防法として有効ですが、膝蓋大腿関節症の場合は、特に「内側広筋」という太もも内側の筋肉の強化が効果的です。内側広筋は膝蓋骨が外側に引っ張られないように抑える(内側へ引き戻す)役目を持ちます。
また、走る時の姿勢にも気をつけましょう。女性に見られがちな、つま先が内側を向いた状態(内足)で着地する走り方は、膝にねじりの作用を加えて膝蓋骨に負担をかけるほか、色々な膝障害をまねく要因になります。こうしたクセを持っている人は改善を心がけましょう。


関連項目


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