結核性関節炎でひざが痛むケース

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結核性関節炎とは(症状・原因・治療)

膝の痛みを引き起こす可能性のある障害の一つに「結核性関節炎(けっかくせいかんせつえん)」があります。
ここでは膝の痛みとの関係を交えながら解説します。

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1.結核性関節炎が疑われる症状

ひざの痛みと動きの違和感

膝の痛みのほかに以下のような特徴や症状が見られる場合、結核性関節炎が発症している可能性があります。


  • 膝関節に軽い痛みがあり、特に夜間に痛みが増す
  • 膝がこわばり動きが悪くなる
  • 膝が腫れたり熱をもつ
  • 膝に水がたまる(関節水症

このほか、熱がでる、体がだるい、食欲不振、体重減少などが見られることもあります。
これらは全て関節炎による基本的な症状であり、膝の痛みがひどくなることもあまりないため、こうした症状だけで結核性関節炎と判別するのは難しいといえます。
「肺炎を患っている(過去に患ったことがある)」、「最近結核患者と接触する機会があった」といった人は特に注意しておいたほうがよいでしょう。


2.結核性関節炎とは 〜 特徴や原因

<関節炎について>
関節に炎症がおきている状態を総じて関節炎と呼びます。関節部が赤く腫れあがったり、指などで押した時に痛みを感じたり、膝がこわばって曲げ伸ばししづらい、動かせる範囲が狭いといった症状が現れます。炎症の原因が細菌感染の場合、発熱、寒け、だるさ、食欲不振など風邪のような症状も見られます。

結核を引き起こす「結核菌」が血管内に侵入し、血流に運ばれて関節内に侵入し炎症が生じる病気が結核性関節炎です。
肺結核を患っているときに発症したり、過去に結核を患った際の結核菌が体内に残っていて、体の免疫が弱った時に再び活性化して発症するなどのケースがあります。

病気の初期は、関節痛や関節の動きの悪さなど、関節炎特有の症状が表れます。そのまま放置して病状が進行すると、関節内の軟骨・骨が破壊され、関節が変形したり、小さな骨のかけら(関節ネズミ(関節内遊離体))が骨の間に挟まって膝が動かなくなるロッキング現象が起きたり激痛が走ることがあります。


3.診断・治療・予防

◆診断

問診や視診などの基本的診断や、レントゲンなどの画像検査では、他の膝の障害と区別をつけるのは困難です。
正確な診断を下すには関節内の結核菌の有無を調べる必要があります。関節組織や関節液、リンパ節などを採取して調査したり、PCRと呼ばれるDNA(遺伝子)検査が有効です。 補助的に血液検査やツベルクリン反応検査(PPD)などが行われることもあります。

◆治療

関節炎の治療と、炎症の原因となっている結核の治療を並行して行います。

関節炎に対しては、軽度であればギプスなどの装具で膝関節を固定したり、関節を上下に引っ張る牽引を施しつつ安静を保つ「保存療法」で様子を見ます。それでも症状が改善しなかったり骨の破壊・変形が進んでいる場合は、症状に応じた手術が行われます。

骨の変形が進んでいれば関節を固定する「関節固定術」、炎症の進行や膿(うみ)が発生している場合は傷んだ部分を切除します。膝のロッキング現象が見られる場合は、骨の欠片(関節ネズミ)を取り除く摘出手術が行われます

結核に対しては、結核菌に効果のある抗結核薬を投与する薬物療法が主となります。薬物に対する耐性を持つ結核菌も存在するため、複数の薬剤を使って治療を行うのが一般的です。

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ひざ関節の構造(クリック拡大)
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イラスト図解:膝関節の構造・位置・名称
A
ひざを構成する組織:半月板・靭帯・骨・軟骨
B
ひざの組織:関節包・滑膜・関節液
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