靭帯損傷・靭帯断裂でひざが痛むケース

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靭帯損傷とは(症状・原因・治療)

膝の痛みを引き起こす可能性のある障害や病気の一つに「靭帯損傷(じんたいそんしょう)」があります。
ここでは膝の痛みとの関係を交えながら解説します。

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1.靭帯損傷が疑われる症状

膝の痛みや、それに関連する症状として以下のような特徴が見られる場合は靭帯損傷が発症している可能性があります

画像:膝が折れる

  • スポーツなどで膝を強く打ったり、激しく動かしたりねじった時に、膝に激しい痛みがあった
    →その後、膝がグラグラとぐらつき不安定な感じがする。また歩いている時に突然膝がガクンと落ち込んだりする。

  • スポーツなどで膝を強く打ったり、激しく動かしたりねじった時に、「ゴリッ」「ポキッ」「ブチッ」といった靭帯が切れる断裂音がした
    →その後、膝がずれる、はずれる、抜ける、といった感じがする

靭帯が少し傷ついた程度の軽度のものなら一時的な膝の痛みが見られる程度ですが、靭帯が完全に切れてしまう「靭帯断裂」の場合、断裂時に激しい痛みを伴い、その後、階段の上り下りや正座時などにも痛みを感じます。そのほか、ひざ関節が不安定な状態となり、骨がズレるような感じや、歩行中に突然膝が抜けるような「ひざ折れ・ひざくずれ」などが良く見られます。
また、損傷による出血で徐々に関節内に血液がたまり、膝の腫れや曲げにくさを感じたり、ひどければ歩行が困難になることもあります。

グラつきなどの症状は、膝の4本の靭帯のうちどれが切れたかによって変わります。前十字靭帯の損傷は痛みや膝の動きに対する影響が大きく、後十字靭帯は損傷しても一般生活やスポーツにもほとんど支障がないなど、靭帯によっても影響の度合いが違います。
詳しくは靭帯の役割・機能で解説しています。

2.靭帯損傷とは 〜 特徴や原因

<靭帯について>
靭帯とは骨と骨とをつなぎ離れないようにしているすじ状の結合組織です。薄く硬い丈夫なゴムのようなもので、筋肉のように自由に伸び縮みする伸縮性はありません。膝を安定させるだけでなく、動きを制御する働きももちます。
膝の靭帯は、関節の前後、内側、外側に4本あり、それぞれ前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)、外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)と呼びます。

膝の靭帯「位置・名称・構造」(クリック拡大)
ひざを構成する組織:半月板・靭帯・骨・軟骨画像:ひざ靭帯の解剖図

靭帯損傷とは、スポーツや事故などで膝に強い負荷がかかったときに、靭帯の一部が傷つき、裂けたり破けてしまったものです。明らかな損傷が見られない軽度なものが「捻挫(ねんざ)」で、重度のものには靭帯が完全に切れてしまう「靭帯断裂」があります。

◆原因

原因:スポーツ時の衝突・接触事故による衝撃

靭帯損傷が起こるケースは大きく2つあります。

一つは、人や物とぶつかった時に起こる接触型です。例えば、サッカー、バスケットボール、ラグビーなどのスポーツ中にタックルやスライティングで膝に直接強い衝撃を受け、膝が不自然な方向に曲がったり、膝が伸びきった状態から更に伸ばされるような力が加わることで靭帯が損傷します。転んで膝から地面に落ちた時などは後十字靭帯を損傷することがあります。

原因:急停止・急旋回でひざにひねりを加える

もう一つは、走った状態から急停止したり、急激な回転・方向転換をしたり、ジャンプ後の着地の瞬間に起こる非接触型です。スポーツで素早く体の向きを変える、急激な切り返しを続けるなど、膝に大きな「ひねり」を加えることで損傷が起こります。特にひざが内側、つま先が外側を向いた状態が危険です。


<ケガの合併>

靭帯損傷は一本の靭帯のみが損傷することもありますが、靭帯が切れるほどの大きな怪我や事故をした場合は、4本の靭帯の複数が損傷したり、半月板損傷などを合併するケースが多く見受けられます。

<靭帯損傷が発症しやすいスポーツ>

  • 野球、サッカー、バレーボール、バスケットボール、ラグビー、アメリカンフットボール、ハンドボール、スキー、格闘技など
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3.診断・治療・予防

◆診断

靭帯損傷のイメージ

怪我や事故が起きた時の状況を確認し、触診でひざの不安定性を調べます。
更にX線撮影(レントゲン)やMRI検査などの画像検査で靭帯の状態を確認して診断を下します。
複数の靭帯の損傷や半月板なども含めた合併症の可能性がある場合や、損傷のより詳しい状況を調べる必要がある時は、内視鏡検査を行うこともあります。メスで膝に小さな切り込みを作り、関節鏡と呼ばれる光ファイバーを使った小さなカメラ差し込み、膝関節内の状況をモニターで確認します。

補助的に関節液の調査を行うこともあります。関節液は通常は無色透明ですが、関節に炎症が起こると色や状態に変化が現れます。関節液に血液が含まれているケースは、靭帯損傷や半月板損傷など、膝の怪我によるものがほとんどです。

◆治療

画像:膝のギプス

靭帯の損傷の程度が軽度であったり、回復の早い成長期であったり、ケガからあまり時間の経っていない状態であれば、膝をギプスやサポーターなどの装具で固定する装具療法を中心とした保存療法を行い、安静にしていればほぼ治ります。

手術が必要となるのは、靭帯が完全に切れた「靭帯断裂」や、複数の靭帯が損傷したり半月板などの周辺組織も損傷しているような「複合損傷」、または保存療法ではひざの不安定さがなくならず普段の生活やスポーツ支障がある場合などです。

靭帯は完全に切れると自然に再生することはありません。よって手術は膝周辺の腱(けん)を切り取って靭帯の代わりにする「再建手術」が行われます。

例え靭帯が断裂しても、患部をしっかり固定しつつ膝周りの筋肉を鍛えることで日常生活や軽めのスポーツ程度なら問題なくできるようになります。実際に手術まで行うのは、プロのスポーツ選手、競技レベルで積極的に運動をしたい人、重労働者、複数の靭帯断裂や合併症により保存療法では歩くのも難しいような人などです。

◆予後・予防

再建手術を行った後は長期に渡るリハビリが必要になります。しっかりリハビリをしておかないと再び靭帯を損傷する可能性が高まります。

靭帯損傷は膝の負担が蓄積して起こるケースは少なく、スポーツ中などの急性外傷として発症することがほとんどです。突発的なものなので完全に予防するのは難しいですが、準備運動をしっかり行い、スポーツ中の膝の負担を減らすることで怪我の確率を下げることができます。膝以外の股関節など使った動きを習得したり、足だけでなく腹筋や背筋、体幹(体の中心部)のインナーマッスル(深層筋)を強化したりするなどの方法も有効です。

関連項目


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