化膿性関節炎でひざが痛むケース

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化膿性関節炎とは(症状・原因・治療)

膝の痛みを引き起こす可能性のある障害や病気の一つに「化膿性関節炎(かのうせいかんせつえん)」があります。
ここでは膝の痛みとの関係を交えながら解説します。

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1.化膿性関節炎が疑われる症状

ひざの激痛とカゼに似た症状

膝の痛みのほかに以下のような特徴や症状が見られる場合、化膿性関節炎が発症している可能性があります。


  • 膝の関節が腫(は)れて、急激で強い痛みを感じる
    膝が熱を持つこともある
  • 寒気がして熱が出る

膝の激しい関節痛のほかに、悪寒・ふるえ・発熱などの風邪のような症状が見られるのが特徴です。加えて、食欲不振、全身のだるさ(倦怠感)などが見られることもあります。


2.化膿性関節炎とは 〜 特徴や原因

主に黄色ブドウ球菌などの細菌が関節内に侵入して炎症が起こり、関節が化膿する(膿(うみ)がたまる)病気が化膿性関節炎です。
病気が進行すると骨や関節軟骨が破壊されて変形してしまいます。放置すればどんどん破壊が進み、膝に障害が残って日常生活に支障をきたすようになるため、早急に治療を受ける必要があります。

膝関節での発症が最も多く、次いで股関節、肩関節、足関節に発症しやすいです。年齢で見ると抵抗力・免疫力の低い幼児や高齢者に多く見られます。

◆原因

細菌感染が起こる原因はいくつかあります。

膝の外傷の傷口から細菌感染


  1. 膝のケガなどで傷口から侵入した細菌に感染する
  2. 細菌が付着した注射器による注射で感染する
  3. 細菌感染を伴う病気によって生じた細菌が、血管を通って膝へ流れてきて感染する
    敗血症(はいけつしょう)、扁桃炎(へんとうえん)、膀胱炎(ぼうこうえん)など
  4. 関節の近くで起こった化膿性骨髄炎が関節まで広がる
  5. 人工関節置換術などの膝の手術後の感染症として発症する

3.診断・治療・予防

◆診断

  • 血液検査
    成分の変化から炎症の有無を調べる
  • 画像検査(レントゲン、MRI、エコー(超音波)検査、骨シンチグラフィーなど)
    画像で骨の破壊・変形を確認する
  • 関節液の検査
    注射器で採取した液を調べ、細菌の有無と原因となっている菌の特定を行う

これらの検査結果をふまえ、総合的に判断します。

◆治療

化膿性関節炎は病気の進行が早いため、早急に治療を行う必要があります。
関節をギプスなどで固定し、抗菌・抗炎症効果のある抗生物質の点滴を中心に治療を行います。関節内に膿(うみ)が溜まっていれば注射器で膿を吸引します。それでも効果が不十分な場合は、膝を切開して膿や傷んだ組織を取り除いき、関節内を洗浄する手術を行います。膿を排出するための管を一時的に入れておく場合もあります。
病巣が小さければ、膝を大きく切開する必要のない関節鏡(内視鏡)を使った手術「関節鏡下郭清術」で対応できることもあります。

◆予防

細菌の感染を完全に防ぐのは難しいため、感染に対する抵抗力をつけておくことで発症率を下げ、感染後の治りを早めることもできます。栄養・運動・睡眠の三要素を充実させることが抵抗力アップの一番の近道です。 また、日頃から疲労やストレスをためすぎないように注意しましょう。

関連項目


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